支部へ依頼があった樹木調査・診断、樹木医活動の結果を紹介しています。
調査・診断の依頼や、庭木等の観察の際などの参考にどうぞ。

Case 10Jan. 19th, 2025
場 所兵庫県赤穂市(社寺)
調査日令和7年1月19日
調査者(樹木医)寺岡里江子、山岡秀行
依頼内容大クスノキ2本のうち、1本が枯れかかっているので診てほしい。
状況・所見幹周373㎝、高さ22m
●上部は枯れている。高さ4~5mの位置にある枝は2本生きている。
●病害、虫害は確認できない。
●症状から枝は同時期に枯れたように見え、気象害の可能性がある。
調査・診断結果●生きている枝を残し、上部の枯れた小枝を切除する。
●大枝が多く枯れているので、落枝事故防止のため早めに切るか、
 幹ぶき活用する場合は落枝防止として枝にワイヤーを這わせ、
 折れても道路には落下しないようにする処置が必要と助言。
Case 9Dec. 15th, 2024
場 所兵庫県相生市(社寺)
調査日令和6年12月15日
調査者(樹木医)荒木衛、山岡秀行、木村昭義
依頼内容樹齢200年の境内のイヌマキが倒木しないか診てほしい
状況・所見高さ9.0m、幹周134㎝、枝張り、北:5.2m、東:6.3m、南:5.9m、西:4.5m

●樹幹にある大空洞について
 南側樹幹に大きな開口空洞が存在、南側開口空洞の他に西側樹幹上部と
 樹幹最上部にも開口部が存在。
 これらの空洞が作られたきっかけとして、過去にあったという落雷の影響が大きい。
 心材部が空洞(最上部から最下部へと貫通)であるため危険性が高い。

●南側大枝について
 南側に大きく伸長した大枝は、早急に対応が必要
 南側大枝の付け根部分にも開口空洞があり、樹幹のように強度不足による
 落枝の危険性がかなり高い。
調査・診断結果●南側大枝への対策
 落枝による危険性があることを、立て看板や張り紙等で通行人へ知らせる必要がある。
 大枝への処置については、付け根部分での切除が必要だが、付け根部分での切除は樹幹への
 更なるダメージを招く恐れがある。そのため、枯損リスクを軽減するため、剪定で
 大枝自身の重量を軽くすることや支柱設置による落枝のリスクを軽減させる事などを推奨。

●イヌマキの樹勢と樹幹大空洞への対策
 上部に枯れ枝が有るため、落枝による危険防止と樹幹横断面積の多くを占める開口空洞の座屈を
 防ぐため、樹冠上部を剪定し重量を減らことでリスク軽減を図る必要がある。
 剪定は、一度に全てを行うのではなくイヌマキの樹勢を診ながら数度にかけて行う。
 空洞内で不定根が発生し、地面に達成している場合は養水分の吸収や支持力の発生を
 担っているため、丁寧に扱う。支柱の設置はかなり大掛かりなものとなるので熟考が必要。
 今回の樹木診断は地上から見た外観調査によるあくまで簡易的なものであるため、
 処置・対策を実施することとなった場合は、さらに樹幹上部の調査や地下部の調査を行った上で
 総合的に判断することが必要となることを助言。
Case 8Dec. 15th, 2024
場 所兵庫県三木市(民有地)
調査日令和6年12月15日
調査者(樹木医)平賀耕介、山岡秀行、荒木衛、木村昭義
依頼内容モッコクの調子が悪いため診てほしい
状況・所見●開口空洞へのモルタル充填が見られる(複数)
●枯枝多数あり
●モッコクハマキ幼虫食害あり、樹冠全体に少数見られる
●入り皮がみられるが損傷無し
調査・診断結果●土壌の固結による根の成長阻害
●空洞内部での腐朽の進行(モルタル充填部分ほか)
●外周道路路肩の除草剤散布による根の衰弱
●ブロック塀補強工事等での重機通行による締固め、損傷 など
 衰弱傾向ではあるが、現在も枝葉の量は多く、新芽の成長も確認できる。
 推定樹齢約400 年であることも踏まえると、大幅な剪定や過剰な薬剤散布は
 大きな環境変化を伴うため、現在は避けることを推奨。

その他の改善対策
●枯枝の切除
●土壌改良:固結した土壌の一部を改良土壌に置き換えを助言
 衰弱の程度によって改善措置も異なるため、枯枝の増加が見られる場合は、
 再度診断されることをお勧めした。
Case 7Nov. 17th, 2024
場 所兵庫県神崎郡福崎町(民有地)
調査日令和6年11月17日
調査者(樹木医)山岡秀行、中村辰巳
依頼内容ゴヨウマツの樹勢診断をお願いしたい
状況・所見●主幹先端から枝枯れが約2m進行し、主幹は切り詰め剪定の処置が行われている。
●枝葉の伸長がやや悪く、葉の色も葉枯れが目立ち、樹勢がやや悪い状況
●ゴヨウマツの根鉢が小さく、根圏の十分な確保が制限されている。
調査・診断結果●南側の内側の石組み一部除去し、南側に伸びた根張りを充実させることを提案。
●根圏の生育環境を良くするために土壌改良や菌根菌の植え付けを提案
●先端枯れの進行が進む場合はマツノザイセンチュウ害防除を奨励
Case 6Oct. 14th, 2024
場 所神戸市西区(民有地)
調査日令和6年10月14日
調査者(樹木医)山岡秀行、村田淳
依頼内容ケヤキ、シャクナゲ、サザンカ、カナメモチの樹勢診断をお願いしたい
状況・所見●ケヤキはクワカミキリ、ニレハムシの被害。
●シャクナゲは乾燥害による枯死。
●サザンカは斑葉病。黒い病斑は病気ではなくサザンカの中の品種による特性で、
 黒色色素が葉に現れたもの。
●レッドロビンはルリカミキリの被害。
調査・診断結果●カミキリムシ類はエアゾルタイプの殺虫剤で幼虫生育期にフラスを確認しながら、
 糞口に散布するよう助言
●サザンカはチャドクガの発生に注意するなど助言
Case 5Sep. 28th, 2024
場 所兵庫県明石市(幼稚園)
調査日令和6年9月28日
調査者(樹木医)平賀耕介、山田裕司、山岡秀行、荒木衛、中村秀夫、村田淳
依頼内容父親が植えたサクラの健康診断をお願いしたい
状況・所見●幹から根元にかけて開口空洞がある。
●枯枝(大)がある。コウヤクタケが見られる。
●幹吹き枝にルリカミキリの穿孔あり
●枝の密度に偏りあり
調査・診断結果●枯れ枝の除去
●土壌の固結が見られるため、半径2mの範囲に養生柵を設置、土壌改良を施すよう助言
●枝の分布に偏りがあるため、やぐら支柱の設置が望ましいと助言
Case 4Aug. 31st, 2024
場 所兵庫県相生市(民有地)
調査日令和6年8月31日
調査者(樹木医)荒木衛、山岡秀行
依頼内容サクラ(樹齢80年)倒木が心配、診断してほしい
状況・所見●西側樹幹に大きな開口空洞が存在、空洞内には多数の不定根が生育、
 空洞内部と外側にはコフキサルノコシカケの子実体を確認
●様々な外傷の蓄積により腐朽が進み開口空洞が開いたと判断
調査・診断結果●樹幹上部を大きく剪定し重量を減らことによるリスク軽減を助言
●剪定方法ついて注意点を助言
●コスカシバ対策、ゴマダラカミキリ対策を助言
Case 3Aug. 4th, 2024
場 所兵庫県明石市(民有地)
調査日令和6年8月4日
調査者(樹木医)山田裕司、中村秀夫、村田敦、山岡秀行
依頼内容シダレウメを移植したが枯れているようなので見てほしい
状況・所見枯損
調査・診断結果周辺のソテツの移植の際の注意点を説明した
Case 2Jun. 1st, 2024
場 所神戸市東灘区(保育所)
調査日令和6年6月1日
調査者(樹木医)荒木衛、木村昭義、鶴田誠、中村秀夫、山岡秀行
依頼内容園内にメタセコイアが3本あり剪定後調子が悪く倒木の危険がないか診ていただきたい
状況・所見●メタセコイアの生育している環境は、日当たりは良好。
●根元は運動場特有の踏圧による締固めの影響が大きいと考える。
調査・診断結果●メタセコイア3本は枯死しており樹勢回復の見込みはない
●このまま放置しておくと今後太い枝の落下の危険や、また根株には腐朽菌も発生しており、
 根株の腐朽が進むとさらに倒木の可能性も高まる為、早急に伐採・伐根などの対策を
 行なうよう助言。
Case 1Jun. 1st, 2024
場 所神戸市東灘区(公有地)
調査日令和6年6月1日
調査者(樹木医)荒木衛、木村昭義、鶴田誠、中村秀夫、山岡秀行
依頼内容シンボルツリーとして、3月にサクラを植栽。
その後、葉が変色して調子が悪そうなので診ていただきたい。
状況・所見●ソメイヨシノの植栽地の日当たりは良好
●円形の植え桝内に植栽されており、根元周りには地被のタマリュウも植栽。
調査・診断結果●深植えや地下水の湧出・土木工事の際の土壌の締固めによる排水不良
●土壌固結による細根の壊死、結果、葉や芽が萎凋しやがてほぼ枯死していったと判断する。
●今後の対策として、植え替え時には植穴内に排水処置を施したうえで、G.L(植え桝天端)より
 高く植え付け、可能であれば、既存の植え桝を更に高くするよう推奨した。
●路盤材との境には止水板等の設置をおこない、セメント成分の流入を防ぐように推奨した。